~ 名称の由来・・地球温暖化と法人名称の関係 ~
地球環境とくに地球温暖化の諸問題に関する研究分野では、現在では国際適に「気候変動に関する政府間パネル」(1988年設立)が重要な役割を果たしています。約5年に一度の割合で、世界中の最新研究情報を吟味してレビューした報告書をまとめています。最近では、ネット上で配信されたものを目にすることが一般的になりましたが、その情報量は膨大で、印刷物にすると4巻に細分した分野(科学的根拠・温暖化予測、影響評価・予測、経済対策・政策、データ管理)ごとに、内容が多い分野では約1000ページに及ぶ分厚いものです。
これらの科学的な知見に対して、予想される負の影響の防止策や軽減策を提案する役割を担うのがCOP(地球温暖化防止会議)であり、京都議定書は1997年の3回目の会議(COP3)で採択されました。毎年行われていて、最近は、交渉に参加している開発途上国から先進国に対して「あなた方はすでに開発が進んでいるので良いかも知れないが、我々は発展する段階にあるため足かせをはめてほしくない」といった意見があります。また先進国の間でさえ、自国の事情のもとでの交渉が求められるため、難しい議論になっています。
さて、私たちのNPO法人の名称と少なからず関係のある、ワールド・ウォッチ・インスティチュートは、こうした国際的な地球温暖化問題の解決への潮流のなかで、1994年に、アメリカ農務省出身のレスター・ブラウン博士により設立されました。地球規模の環境変化に対峙する立場を明確に示し、世界のエネルギー、食料、人口、水資源など広範な領域で提言を続けた最初の組織です。このインスティチュート(研究所)も、毎年大部な報告書を発行してきました。
今では、レスター・ブラウンは新しくアース・ポリシー・インスティチュートを設立して主催しています。ワールド・ウォッチ・インスティチュートも、引き続き活動を続けています。ワールド・ウォッチ・インスティチュートからは多くの著書が刊行されています。レスター・ブラウン著作では、「だれが中国を養うのか?」、「プランB」、「地球白書」など沢山あります。これらの書物は、今となっては地球環境問題を説いた古典といえるでしょう。
NPO法人の活動を行う場合、視野の広さは異なりますが、ワールド・ウォッチ・インスティチュートの存在は参考になります。このため、名称として以前から注目していました。地球規模の代わりに、同じ考えに基づき地域社会を対象に活動する意義は、我々にとっても大いにあるでしょう。そこで、ワールドではなく身分相応の規模として、また地域社会を代表する単位としてシティを考えました。ウォッチは、活動の基本的な姿勢として借りることにしました。次に、インスティチュート(研究所)も借りようかと考えましたが、まずは地域の一画にある公園あるいは緑地に集まって環境問題を考えることから始めることとし、スクエアを採用しました。スクエアの代わりにハウスも良いかと検討しましたが、ウォッチ・ハウスですと、警官詰め所のイメージがあるため使用を断念しました。
こうして、私たちのNPO法人の名称がシティ・ウォッチ・スクエアとなりました。市街地を望む公園や緑地のベンチに座って、人が行き交う風景や季節のうつろいなどを眺めつつ、皆さんとご一緒に環境問題を考えていくことにします。
(2014年1月17日)
特に近年において、地球温暖化の進行に伴う災害が頻発するようになった。この影響は、私たちの生活に大きな影響を及ぼすようになっている。NPOもこうした変化に応じた活動が求めらるだろう。そこで、名称をクライメイト・ウォッチ・スクエアに変更すると同時に定款第1条および第5条を改定し、活動の範囲を広げることとした。活動の手段などの変更は無い。
(2023年11 月9日)
① 環境特性の評価に関する事業
② 社会システムと環境教育に関する事業
③ 環境データの整備に関する事業
④ 環境変動と防災に関する普及啓発事業